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Viva Italy あとがき
写真大学に通っていた頃、初めて父と喧嘩をした。
写真屋の息子なら誰もが選ぶべきの‘営業写真コース’へと進学しな
かったからである。
様々な写真に触れ、毎日が新鮮に感じられ、私にも「何かできる!」と
思い描いていた当時、営業写真の基礎は仕事に就いてからでも遅くはな
いと思い、父に納得してもらった。
その後、白黒写真の制作コースへと進み、教授にも仲間達にも恵まれた
良い環境の中で写真を学んだ。
そして19歳になった頃、父から「イタリアへ行ってみないか?」
との話を言われた。とまどいの前に“びっくり”した。あの時、
私のやり方に反対した父が協力してくれたのである。
イタリアを通じて藤井正夫先生に出逢うことができた。
言葉を交わすのは多くはなかったが、先生から発する“気”を
ビンビン感じ、がむしゃらにシャッターを切った。
土地を知り、人々と触れ合うことで写真に対するスタンス、
そして人生観までも変化していく。
そのイタリアとは、私にとってのホームグランドでありたい。
一生のパートナーであり続ける写真。
その体温を大切にしていきたい。
仲澤章浩
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